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高松市立みんなの病院

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診療情報

当院「脳神経内科」について

脳神経内科は、中枢神経(脳・脊髄)、末梢神経と筋肉に障害が見られる病気を診断して治療する診療科です。主な病気はパーキンソン病などの神経に変性が見られる病気、重症筋無力症などの免疫性神経疾患、脳梗塞、てんかん、末梢神経障害、認知症などです。患者さんの話を詳しくお聞きし、診療については患者さんが十分に理解されるように説明しています。

学会認定施設

日本内科学会認定医制度による教育病院
日本神経学会准教育施設

外来担当表
令和7年度最新版
診 療 科
(院内標榜含む)
脳神経内科 午前   向井 麻央   第2・4週
徳島大学医師
 
午後 浦井 由光 浦井 由光 浦井 由光
要問い合わせ
  若松 延昭
要問い合わせ

【受付時間は次のとおりです】
新患の方:午前8時~11時、 午後1時~4時
再来の方:午前8時~11時30分、午後1時~4時

 
対象疾患と治療方針
主な疾患
  • 片頭痛などの頭痛
  • 脳梗塞・脳出血などの脳卒中
  • てんかん
  • 脳炎・髄膜炎
  • 末梢神経障害(ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎)
  • 神経難病(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、重症筋無力症、多発性硬化症、視神経脊髄炎)
  • 筋疾患
  • 認知症

 

頭痛

慢性頭痛は、首の後ろから後頭部、こめかみに痛みがあり肩こりを伴うことが多い「緊張型頭痛」、もしくは、女性に多く吐き気や視野の中にキラキラした光が現れることがある拍動性の「片頭痛」であることが多いです。片頭痛では屯用のトリプタン製剤と予防薬を組み合わせますが、これらでも治らない場合は抗CGRP関連抗体薬を使用することがあります。男性に多く頭痛のある側の結膜充血や鼻汁などを伴う「群発頭痛」である場合もあります。

 
てんかん

てんかんは、人口100人に約1人の割合でみ見られる病気です。若年者と高齢者に多く見られます。神経細胞の過剰な電気的興奮が脳の一部に限定されて起こる部分発作と、脳の大部分が興奮しておこる全般発作があります。また、意識がはっきりしている場合と意識障害を伴う場合があります。それぞれの発作の型に応じて最も適した抗発作薬(抗てんかん薬)で治療を行います。最近は、副作用や薬物相互作用が少ない抗発作薬が数多く利用できるようになっています。当院脳外科のてんかん専門外来を受診していただくこともできます。

 
脳梗塞

脳梗塞は脳に酸素や栄養を送る血管が詰まり、脳の神経細胞に障害が起こる病気です。血管の場所(どこが詰まったか)や時間(どれくらいの時間詰まったか)により、障害される場所や大きさが異なり、症状やその程度が異なります。片側の手足の脱力やしびれ、ろれつが回らない、めまいなどの様々な症状が見られます。急にこれらの症状が出た場合には脳梗塞が疑われますので、迅速な治療が必要です。

脳梗塞は主に3つのタイプに分けられます。
【ラクナ梗塞】脳の細い血管が狭くなって詰まっておこります。脳MRIで直径が15mm以下の梗塞です。高血圧が関連しています。
【アテローム血栓性脳梗塞】 生活習慣病である高血圧、脂質異常症、糖尿病などで脳内や脳外(頸動脈)の血管内壁に形成される粥状硬化部位に血小板を中心とした血栓ができて、血管が詰まる脳梗塞です。
【心原性脳塞栓】心房細動に伴う左房内血栓や卵円孔開存に伴う血栓が、脳の大きな血管を突然閉塞することによっておこります。多くは不整脈(特に心房細動)が原因です。

発症4.5時間以内の脳梗塞では、組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)による血栓溶解療法が適応となることがあります。さらに、脳外科で血管内治療(血栓回収)を行うことがあります。また、リハビリテーションも早期から開始します。慢性期の再発予防には、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)の管理、禁煙、抗血小板薬などの投与を行います。

 
パーキンソン病

主に50〜70歳代に片側の振戦(震え)で発症します。安静時の手や足の振戦、動作緩慢、筋強剛(手足を受動的に動かすと固い)と姿勢反射障害(転びやすい)が見られます。振戦、筋強剛あるいは姿勢反射障害が無い場合もあります。ドパミンという神経伝達物質を作っている中脳の黒質の神経細胞が変性し、産生するドパミンが少なくなり症状が出現します。黒質の神経細胞にはレビー小体という構造物が見られます。ドパミンの前駆体のL-ドーパやドパミン受容体刺激薬などで治療します。精神症状(うつ症状)、自律神経症状(便秘、起立性低血圧)などが出現することもあります。

当院では中期〜進行期パーキンソン病の方を対象としてLCIG治療(デュオドーパ®)、LDp/CDp治療(ヴィアレブ®)を行っています。

 
筋萎縮性側索硬化症

疾患の経過に良い影響を与える薬物が利用可能となっています(リルゾール(リルテック®)、エダラボン(ラジカット®)、メコバラミン(ロゼバラミン®))。

脊髄小脳変性症および多系統萎縮症

脊髄小脳変性症は遺伝性のことも多く、多系統萎縮症は孤発性の疾患です。タルチレリン(セレジスト®)等を使用します。リハビリテーションも効果があります。多系統萎縮症は起立性低血圧、排尿障害、声帯麻痺を伴うため、薬物などによる対症療法、膀胱バルーンカテーテル留置、予防的な気管切開などが必要となります。

認知症

主な認知症にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症と血管性認知症があります。
【アルツハイマー型認知症】一番多い認知症で、強い物忘れ、時間・場所などに関する見当識障害が見られます。また、BPSDと言われる徘徊や物盗られ妄想などの「行動・心理症状」も現れます。物忘れに対する薬物療法だけでなく、BPSDに対する薬物療法も必要な場合があります。
初期の方は、疾患の経過を改善する抗アミロイドβ抗体薬(レケンビ®、ケサンラ®)が利用可能となっています。
【レビー小体型認知症】は、大脳の神経細胞にレビー小体が蓄積する認知症です。アルツハイマー型認知症よりは記憶障害は軽く、幻視が多くみられます。パーキンソン病に見られる「動作緩慢」や「姿勢反射障害(転びやすい)」や睡眠中に大きな声を出す「レム睡眠行動異常症」などが見られます。治療薬に過敏に反応する場合があり、薬剤を投与する場合はごく少量から行います。
【脳血管性認知症】多発性脳梗塞や脳の白質の病変で起こります。認知症以外に歩行障害(小刻み歩行)、易転倒性(転びやすい)や嚥下障害(飲み込みの障害)が見られます。高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療や抗血小板療法を行います。

 
重症筋無力症

眼瞼下垂(まぶたが下がる)と複視(物が二重に見える)を主症状とする眼筋型と、眼筋型の症状に加えて四肢の易疲労性が見られる全身型があります。患者さんの血中から抗アセチルコリン受容体(抗AChR)抗体、あるいは抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(抗MuSK)抗体が検出されます。また、これらの抗体が検出されない場合もあります(seronegative)。治療は胸腺腫があれば呼吸器外科で摘出します。急性期の治療の後、少量のステロイドと免疫抑制剤を組み合わせることで、副作用を最小限に抑えつつ長期に寛解を保つことが出来ます。急性期・増悪期の治療として免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)、血漿交換、ステロイドパルス療法などがあります。良好な状態を保つために、定期的に生物学的製剤を使うこともあります。

 
末梢神経障害

ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)などがあります。
ギラン・バレー症候群は風邪症状や下痢などの後、1〜2週間後に主に下肢(脚)の筋力低下で発症し、その後、上肢(手と腕)や顔面にまで筋力低下が及ぶ末梢の神経炎です。末梢神経には、炎症により髄鞘と呼ばれる神経線維を取り囲む細胞の破壊(脱髄)が見られます。重症例では呼吸筋麻痺が起こり人工呼吸器による呼吸管理が必要になります。患者さんの血中に抗ガングリオシド抗体(抗GM1抗体、抗GD1a/GD1b複合体抗体など)が検出されます。免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)を行います。
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は慢性に経過する疾患ですが、急性に発症することもあります。やはり、免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)を行います。また、ステロイドなども有効です。

 
多発性硬化症

主に40歳以下の女性に比較的多く見られる脳・脊髄・視神経(中枢神経)の病気です。突然、手足の筋力が低下し、ろれつが回らないなどの症状が出現します。中枢神経はオリゴデンドロサイトという細胞によって髄鞘が形成されていますが、免疫の作用でこの髄鞘が破壊される(脱髄)疾患です。この脱髄が中枢神経のいろいろな部位に時期がずれて見られます。鑑別診断が重要であり、膠原病に伴う中枢神経障害などを除外します。急性期にはステロイドパルス療法などを実施します。再発予防に関しては、最近は、当初からDMF(テクフィデラ®)や抗CD20抗体(ケシンプタ®)などの比較的効果の強い治療を用いるようになってきており、高い治療効果があります。

 
視神経脊髄炎

長年、多発性硬化症と混同されていた疾患です。女性に多く、高齢の方にも見られます。やはり、免疫介在性の疾患であり、この病気では特異的に抗アクアポリン-4(抗AQP-4)抗体が陽性となることが判明し、きちんと診断されるようになりました。中枢神経の様々な部位に時期を違えて障害が生じます。一度の障害で高度の後遺症を残すことも多く、重症例では、急性期にステロイドパルス療法に加えて血漿交換を行うことが重要です。 再発予防に関しては、生物学的製剤を用いることが多くなっています。

 
脳炎・髄膜炎

脳炎には、自己免疫性脳炎、単純ヘルペス脳炎などがあります。当初、確定診断が難しい場合があり、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)などど抗ウイルス薬を併用することもあります。
髄膜は脳・脊髄を保護する膜で硬膜・くも膜・軟膜という3層から成ります。細菌、ウイルスや真菌(カビ)が感染して髄膜炎になります。発熱、頭痛、嘔吐などが見られます。化膿性(細菌性)髄膜炎では、抗菌薬注射剤を多量かつ頻回に投与することが必要です。ウイルス性髄膜炎では脳浮腫を取る治療のみで改善するのを待ちます。真菌性髄膜炎では抗真菌剤を投与します。

 
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